〈終了〉2015.10/4-10/17 nho heso 0・ 猪野商店プレオープン企画

〈この展覧会は終了しました〉
-NARAMIX(渡邉万莉菜)個展「nho heso 0」-

何も考えずしかし瞼は開いたままに。ぼんやりと、ややはっきりと、前にあるものを捉えては視覚で呼吸をくりかえす。出して入れて。それは鳥だったか、電柱だったか、人だったか、文字や言葉になる前に残された物体の陰が黒い線になって頭に焼き付いている。

全ては0の状態に。マイナスにもプラスにも振れずただただ身体のギヤはN に入ったままなのだ。


■展覧会情報■

〈展覧会名〉 nho heso 0 -ノ ヘソ ゼロ-

〈会期〉2015 年10 月4 日( 日) ~ 10 月17 日( 土)

10:00~20:00(水曜定休日)

〈会場〉アートカフェ猪野商店 〒276-0023 千葉県八千代市勝田台1-38-16 勝田台駅前商店街

〈猪野商店HP〉http://ino-syouten.com/


■猪野商店について■

アートカフェ猪野商店は、(有)猪野商店を背景に誕生しました。猪野商店という屋号は両親が築いたものです。昭和57年、奇しくも私が生まれた年に、東京駅八重洲地下街で(有)猪野商店は産声を上げました。それから33年、様々な場所で店舗が派生しましたが、中でも勝田台商店街にあった銀座モンタナは、猪野商店にとって重要な姉妹店でした。

母が切り盛りしていたそのブティックは、地域の方に支えられ、愛されてきたからこそ22年という長い年月続いてきたのだと思います。両親が築いてきたものを、何とかして残し、発展させていくことはできないだろうか、というところから新しいお店づくりが始まりました。

受け継いだものを未来へ向けて発展させていく。アートはそれを体現してくれるひとつのツールであり、そうした未知のパワーを育んでくれる媒体になってくれる。そして、そうした作品を作る「人」と観る「人」が出会い、また新しいものが生まれていくのではないか。そこで生まれるものは「モノ」とは限りません。「思い」のような、目に見えないものかもしれない。そんな未知の出会いを提供する「場」になりたい、そういった視点からアートとカフェが一体になったアートカフェ猪野商店の構想ができました。


準備中、私は自分で壁や床のリフォームをしていたのですが、お店を開けるとかならず誰かがのぞいて声をかけてくださいます。これも地縁という大切なものを母がこの土地で築いてきてくれたからなのでしょう。8月に画家・荻野夕奈氏に壁画を描いて頂くイベントの際も、たくさんの地域の方がお越しくださいました。


こうした経緯でアートカフェ猪野商店は誕生しました。誰かが創った大切なものや思いを、他の誰かに伝えていく。そしてまた新しい何かが生まれていくプロセスのお手伝いをさせて頂きたい。そんな活動の積み重ねがやがて少しでも地域の活性のお役に立てればと思っております。

2015. 9. 3 猪野愛